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プロダクト開発に顧客の声を活かすには?


プロダクト開発に顧客の声を活かすには?


前回のコラムでは、顧客の「悩み・困りごと」に寄り添って、3ステップでプロダクト開発をする手法をご紹介しました。今回は、そこからもう一歩踏み込んで、実際にどうすれば効果的に顧客の声をプロダクト開発に活かせるかについて見ていきます。


目次


プロダクト開発にはいくつかの型(フレームワーク)やセオリーがあります。マーケティング界隈においては、「WHO(誰に)」「WHAT(何を)」「HOW(どのように)」提供するか、また、スタートアップ界隈では、「フィットジャーニー」と呼ばれる手法があります。これらは、いずれも新規事業開発やプロダクト開発を体系的に理解するのに有効です。


「WHO(誰に)」「WHAT(何を)」「HOW(どのように)」を提供するか

参考:西口一希, 「マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ」, 日本実業出版


フィットジャーニー

参考:SAIRU「PMF達成への道のり~フィットジャーニーとフェーズごとの指標を解説」

どちらの手法でも最初に考えるのは、顧客の課題です。顧客がどんな「悩み・困りごと・ニーズ」を持っているのか、を定義するところからスタートします。一口に「悩み・困りごと・ニーズ」といっても、何でもよいわけではありません。夜も眠れないくらい深刻な、お金を払ってでも解決したいほど切実なものでなければ、そのプロダクトは「なくてもよいもの」になってしまいます。「なくてもよいものは」は買ってもらえません。お金を払ってでも解決したい「悩み・困りごと・ニーズ」とは何なのか?またプロダクトを必要としている人はどんな人なのか、を探り当てることがとても重要です。極端なことをいえば、それさえ探りあてることができれば、プロダクト開発の成功確率が10倍になる、といっても大げさではないくらいです。ただ、実際のプロダクト開発の現場で、それを認識・実践している人は残念ながらまだあまり多くありません。


プロダクト開発の調査に携わっていると、自分たちの得意とする技術、作りたい商品について「こんな素晴らしい機能です」「こんな悩みを解決できます」と丁寧に説明を受けた後、「けれども、誰がこのプロダクトを必要としているのかわかりません」というご相談をいただくことがあります。アイデアを詰めることに注力するあまり、肝心の「誰が必要としているのか」の検証が後回しになっているのです。当たり前のことですが、必要とする人がいないプロダクトは、どれだけ機能が優れていても売れません。


「プロダクトアウト」という言葉はネガティブに使われがちですが、「プロダクトアウト」自体が悪いわけではありません。新たに考案したプロダクトは、誰の、どんな「悩み・困りごと・ニーズ」を解決するものなのか、を明確にしないまま進んでしまうこと、そしてその「困りごと仮説」が本当に存在するのか、お金を払ってでも解決したいくらい切実なのかを検証しないまま進んでしまうことが良くないのです。「顧客の切実な課題とは何か」と「どうやってそれを解決するか(プロダクトの原形)」は必ずセットで考えなければなりません。


デザインスプリントリサーチ(DSR)では、1日目に「顧客の解決したい状況(困りごと仮説)」を考え、2日目にそれに対する「独自の解決策」を考えます。通常のデザインスプリントであれば、そのままプロトタイプ制作に進みますが、DSRではその後に「顧客の悩み・困りごと・ニーズを深化させる」というステップが入ります。このステップが入るのには、主に3つの理由があります。


1つは、仮説検証インタビューをする前に、想定される「顧客像」と「その人の悩み・困りごと・ニーズ」を新たな視点で捉え、気づいていなかった仮説を洗い出すためです。2つ目に、短期間で様々なアイデアを出しているとメンバー間の認識のズレに気づかないことがあります。改めてアイデアを整理することで、メンバー間の意識をあわせることも重要です。3つ目は「独自の解決策・提供価値」のアイデアをさらに深めることです。改めて整理することで、これまで概念化、言語化できていなかったアイデアを思いつくことも少なくありません。


このように「顧客の切実な課題」を早期に深化させることによって、先に解決策の仮説がある場合、つまりプロダクトアウト型でプロジェクトを進めてきた場合は特に、自分たちの思い込みにとらわれず、新たな視点で解決策(プロダクトの原形)を創出することができるのです。DSRでは、プロダクト開発の初期段階にはこのプロセスがとても重要だと考えています。


「顧客の切実な課題」の深化

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